地震があると、マグニチュード5.0とか言いますね。マグニチュードの式は40種類ほどあるそうなので興味がある方は調べてみてください。マグニチュードは地震の規模を表します。震度??というものもありますが、こちらは場所ごとの揺れの大きさです。昔は、墓石が倒れると震度7とか体感によって決められていたそうですが、今は計器によって算出されるようです。関東大震災はM(マグニチュード)7.9、東日本大震災はM9.0のようです。マグニチュードは対数ですので1.1の違いですが、地震のエネルギーとしては、大きく異なります。log10E=4.8+1.5M と常用対数を使用して地震のE(エネルギー)をM(マグニチュード)の関数として表します。指数表示にするとE=10^(4.8+1.5M) ()内は指数 となります。関東大震災M7.9と東日本大震災M9.0を比べてみます。
関東大震災 E=10^(4.8+1.5×7.9)=10^(16.65)
東日本大震災 E=10^(4.8+1.5×9.0)=10^(18.3)
10^(18.3)/10^(16.65)=10^(1.65)=44.7
東日本大震災は関東大震災の44.7倍の地震エネルギーであった。
Mの差が2であると、地震のエネルギーEは、1000倍の差となります。
10^(4.8+1.5×1)と10^(4.8+1.5×3)の比は、10^(3)となり=1000となります。
地震波には、縦波と横波があります。進行方向(波が伝わる方向)に対して進行方向に揺れる波を縦波、進行方向に対して直角方向に揺れる波を横波と言います。等間隔に縦一列で人を並べて前の人の肩に両手を置きます。一番後ろの人(震源)が前後に動きます。するとその挙動は前の人へ前の人へと伝わっていきます。上から見ると頭が近寄ったり離れたりするように見えると思います。これが縦波です。頭の密度が高いところと低いところとできます。疎密波ともいいます。密度が変化するという意味合いです。上記の縦波の例で、最後尾の人が、左右に揺れるとその揺れは順次前へ伝わっていきます。頭の位置はサインカーブのようになります。これを横波と言います。この縦波と横波には伝搬速度に差があります。地盤にもよりますが、2倍弱程度で、縦波が早いです。この速度の差を利用すると、縦波が到着した時点で緊急地震速報が発令できます。
建物は、大きさ(高さ)や形状によってその建物が持っている揺れの周期というものを持っています。小規模建築物では、概算値として建物の最高の高さ掛ける0.03で計算します。H6mの建物では、6×0.03=0.18秒です。その建物の固有周期といいます。遠いところの地震であっても、地盤の中を進んでくる間に地震波の周期が伸び、建物の固有周期に近づくことがあります。建物の揺れ方と地震波の揺らし方の周期が合ってしまうと大きな揺れとなって建物が崩壊することが起こるかもしれません。特に高層ビルは、遠いところの大きな地震は、要注意です。地震力は、地面が動くため、重い建物ほど大きな力が加わっていると考えられます。建物が重かろうが軽かろうが地面は同じように揺れます。重い建物を動かす方が大きな力が必要なためです。建物の上の階ほど軽い方が地震力には強くなります。上階が重いとそこで係数×重さで地震力を計算し、高さを掛けると柱脚のモーメントになります。階が高ければ高いほどこのモーメントは大きくなります。これが大きいと柱が根元から折れる可能性が生じます。屋根を瓦から金属屋根に変えて地震に強い家等宣伝している根拠は、ここにあります。