建築基準法は、戦後まもない昭和25年に作られたそうです。理工図書の齋藤謙次博士の建築構造力学(昭和39年初版)によると
構造物の支持方法として移動端RollerEnd 回転端HingedEnd 固定端FixedEndの3種類を力学では使用するとあります。さらに
回転端の説明として、この支点はどの方向にも移動できないが、回転だけはできる自由にできる構造で回転端(Pin)あるいは
滑節(Hinge)と言われている。と記載されています。基準法施行の14年後の書籍で近いため、ブレース構造は滑節構造として
判断して計算しています。審査機関の先生の意見も色々で、「滑節は、滑ると言う字が入っているので、Rollerだけで出来て
いる建物である。または免震構造を指している。」等言われることがあります。一応こちらの考え方を伝えるのですが、柱脚
は、厚いプレートでやりなさいと言う結論になることもあります。ブレース構造は、接点はPinですので、接点にモーメント
を考えません。軸方向力に変換されて計算します。風による柱の中央部にかかる最大モーメントに対しては、計算します。
軽量鉄骨の柱の断面は、座屈長さを十分短くとれば、重量鉄骨のラーメン構造に比べてかなり小さくなります。柱ピッチも
小さくします。一度、もし柱脚を固定端と仮定した場合どうなるかを検討したことがあります。ブレースの負担している
水平力一か所分を柱頭に加えた場合、1/10程度に応力を減じてもNGでした。ブレース構造なので弱軸方向になります。
柱脚は、固定荷重・積載荷重分を減じない引抜力で計算しています。ベースの弱軸方向に曲げが生じるため、アンカー位置は
かなり柱面寄りになります。(芯に近づく) 仮定であるPin支持に近くなります。
柱脚の規定は、神戸の震災のあとに、確か変わっているような気がします。重量鉄骨のラーメン構造の柱脚ピンの建物の
柱脚部分が壊れたものが多かったと記憶しています。告示等を調べ切れていませんが、どなたか、「このように考えた方が
安全側だよ。」というものがあれば、zen@shinwahouse.jpまでお教えいただけると幸いです。